今から20年以上前のことになります。
年中組に途中入園で入った男の子の話です。その男の子は、みんなの輪の中に飛び込んでいける子ではなく、初め2~3日はお部屋のロッカーの中に入り込んで、そこから見える景色を楽しんでいるように思えました。
しかし、そのお子さんがロッカーにずっと入っていた、初日・2日目にお母さんに伝えた話を聞いて驚いた記憶が今でも鮮明に覚えています。
初日も2日目も、お母さんに「今日は〇〇ちゃんと一緒に遊んだんだよ!」とか、「〇〇ちゃんて面白いんだよ!」というお話をされたそうです。
この話を聞いて担任とも確認すると、彼はロッカーから出て友達と遊んだことはなかったそうです。そこで私が感じたことは、「彼はロッカーの中からお友達をじっと見ていて、そこから見ている世界を自分の世界に取り込んでいるかもしれない。」との結論に達しました。
見ている環境を、自分の世界に取り込めるという、まさに幼児の柔軟な心の動きを感じた話でした。
まさに今、子どもたちは「見て学ぶ」体験をしているのでしょう。この答えが出るのは来年以降でしょうね。それを楽しみに待ちます。